2012年1月11日水曜日

最近読んだ本 その2

 昨日に続き、もう一冊ご紹介させていただきます。
  
 私達日本人は「日本」という国が、少子高齢社会になってしまっていることを承知していることかと思います。

 しかしながら、全ての日本国民がそのことの深刻性を認識しているとは思えません。このようなことを言っている私自身でさえも忘れてしまうことが度々あります。

 日本は本当に豊かな国になっていると思われがちですが、その影で少しずつ進行してきているのが「高齢社会」が抱えるさまざまな問題です。
 
 介護放棄」「認知症の合併症による周囲とのトラブル」「疲弊する介護職員」「在宅介護と家族の介護ストレス」等々…具体的にあげれば際限が無いくらいかもしれません。

 本書の著者は大学を定年退官後も現役で診療活動に携わる医師であり、臨床活動の中でみてこられた患者やその家族の姿を具体的に報告されております。

 現在の日本における超高齢者(85歳以上)の抱える多くの問題を取り上げながら、随所に図表もあり理解しやすい内容となっています。

 日本中の老若男女、すべての人たちが読まれること、そしていまの日本が抱えている大きな問題に改めて注目しつつ、今後どうあるべきかを考えるために是非ともお薦めしたい一冊です。


 ひとことで表現するのであれば、他人ごとではない。日本人全体で早急に取り組む必要性がある。

2012年1月10日火曜日

最近読んだ本

 しばらくぶりの更新です。
 この年末・年始ですこしばかり本(専門書ではなく、一般書です)を読むことができましたので、皆様にご紹介と私の読後感をお伝えしていくことができるかと思います。

 まずは、私が理学療法士として比較的長く関わることが多かった重い障害を持つ方々に関する著書です。内容的なことは本書を読んで頂くことにして、個人的な感想です。

 数年前、私が勤務していた病院で、ある理学療法士が「『重度心身障害児・者は担当しない。理由はかつての養成校の先生が重度心身障害児・者は治療効果が無い』とおっしゃっていましたから…」と平然と言い放ったことがありました。

 私はかつて学生だった頃、恩師からは「患者を選ぶようなこと」を教わった記憶は一切ありません。また恩師も「患者を選ぶような理学療法士」ではないと信じております。

 だから、私はそのような言葉を聞いた時、個人的に非常に衝撃を受けました。その理学療法士の方に是非とも、この著書を熟読することをお薦めしたいと思います。

 第3章では、日本における「重症心身障害児施設」ができるまでの歴史的な経緯が記述されており、大変参考になった。